『流転の中の白骨』 No.3479

花が咲き
花が枯れる

大堂へ上がる道の下あたりに
埋もれている白骨

途絶える想いに雨が染み込む
見えない白骨は静かに見守っている

困っている人を助けてあげられるのか
私が困ったとき誰かが手を差し伸べてくれるのか

もう目前の対面
その間に立って

困窮している人たちのためにわが身を投げ出す・・・
こんなことができるのか 果たして

向こうの藪でウグイスが鳴いている
つぎからつぎへと花が咲き変わってゆく

またたくまに変わる季節
あっという間に移ろう時代

そのなかでコロコロ変わる心 眠り続ける白骨
ホトトギスが鳴きだした

千年ほど前 この辺りで
即身成仏になったお坊さんが在た

その上で花が咲き
花が枯れる